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クリスマスなんてとっくに終わってた


仕事が修羅場だったなんて言い訳にもならない!

くりすとます
クリスマスの朝起きたら靴下の中に春香さんが入っていたでござるの図

服着せられなかったけど、逆にエ(ry

来年は色塗りまで頑張ります。
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ある日の風景40.845


夢を見た。

小さい頃の夢。懐かしい夢。

私は公園にいる。
公園には沢山の子供達が居て、私もその子供達に混じって遊んでいる。

ブランコ、すべり台、鬼ごっこ。
みんな、とても楽しそうに走り回っている。

子供達の笑い声の中に混じって、ふいに歌が聞こえた。
とても優しい音。
わたしの大好きな歌だ。

「うたのおねぇさん!」

誰かがそう叫ぶと、彼女が腰掛けているベンチへと一目散に走っていった。
他の子達も同じように続く。
たちまちベンチの周りは子供達で一杯になっていた。

「みんなは今日も元気一杯ね」

そう言って、彼女は優しく微笑んだ。
みんな彼女が大好きだった。
彼女の歌が大好きだった。
「それじゃあ、今日は何を歌おうか」
そうして、彼女は立ち上がった。

それはとてもとても穏やかな時間。

近くて遠い私の始まり。


そこで、目が覚めた。

「ごめん、起こしちゃったか」

運転席に座っているプロデューサーさんがバックミラー越しにそう声をかける。
私はふるふると首を振ってそれに応える。まだ頭がぼぅっとしている。
どうやら仕事帰りの車の中で寝てしまったらしい。

プロデューサーさんに寝顔を見られていたかと思うと少し恥ずかしい。
いや、寝顔を見られた事なんて数え切れないほどあるんだけど。
こういうのは回数の問題ではないのだ。

「私……、どのくらい寝てました?……」

「30分くらいかな。事務所まではまだ時間がかかるから、寝てても大丈夫だぞ。
最近、ろくに休みを取れてないからな。疲れてるだろうし、休める時に休んでおいた方がいい」

「でも……」

-----------------------------------------------------------------------------
A→P

「でも……」

春香は、何かを言い淀んでいるのか、少し俯いているようだった。
暗い車内の、しかもバッグミラー越しでは、その表情まではうかがい知れない。

「そういえば、最近、春香のお菓子食べてないなぁ」

何となく、俺は話の方向を変える事にした。

「あ、そうですね。昔は、よく事務所に持ってきてたんですけど」
「持ってきただけで、食べられずに終わった事も多いけどな」
「むぅ、それどういう意味ですか」

春香はむくれている。

「はは、冗談だよ」
「わたし、最近は全然こけないんですよ。これでも成長してるんですから」
「知ってる」
「じゃ、じゃあ何がいいですか?特別にプロデューサーさんのリクエストに応えちゃいますよ」
「そうだなぁ。冬だし、温かいお菓子、とかどうかな?」
「温かい、温かい……。それじゃあ、フォンダンショコラなんてどうですか?
出来たては、中のチョコがとろとろですっごく美味しいんですよ!
って、事務所に持ってくる前に冷めちゃいますよ」

お、いつの間にノリつっこみなんて高度な技を。

「まあ、温かいお菓子はまたの機会にするか」
「作りに行きます」
「はい???」
「作りに行きます」

2回言われた。
あまりに思いがけないセリフに、疑問符が3つくらい浮かんでしまった。

「前にプロデューサーさんが私の家に来た時、約束しましたよね。
今度、プロデューサーさんのお家に招待してくれる、って」

う……。まさかその約束を覚えていたとは……。
あの時は、上手いこと誤魔化したと思ったんだけどなぁ。

「し、した、かなぁ……。そんな約束?……」

苦笑いの俺。今に限っては、夜の車内である事に感謝したい。

「しました」

すっぱりと断定されてしまった……。
いやぁ、今日の春香は強いなぁ。ひょっとしたら、まだ寝ぼけていて自分が何を言ってるのか、よくわかってないのかもしれない。

「した、した!そういえばしたなぁ。今思い出したよ」

まずい、よなぁ。いくらなんでも、プロデューサーが担当アイドルを家にあげるのは。
担当アイドルの家に家庭訪問するのとはわけが違う(あの時、家には誰もいなかったような気がするけど)
もしばれたりしたら、スキャンダル所の騒ぎじゃない。
というか、その前に俺が社長に殺される!!

「でも、ほら、うちって、男の一人暮らしだからさ。結構ちらかってるし……」
「だったら、いっしょに、掃除もしないと、いけないです、ね……」

いいながらこっくりこっくりしている春香。

こっくり?

「春香、大丈夫か?」
「大丈夫です……。こうみえて、私お掃除にも自信あるんですよ。
お洗濯だって、お料理だって……、ちゃんとやって……」
「いや、そういう大丈夫じゃなくて」
「…………」
「…………」
「おーい、春香さーん」
「むにゃ……」
「……」

スースーと寝息が聞こえる。

どうやら、また、眠ってしまったらしい。
ほんと冷や冷やさせてくれるよ。

でも。

そういう生活も、春香と一緒ならきっと楽しいんだろうな。
そんな事をふと思った。

「って何考えてるんだか」

俺も少し寝ぼけているのかもしれない。いけない、いけない。
パチン、と頬に気合を入れる。

「うし」

さあ、帰ろう。

いつもより少しだけゆっくりと。

春香を起こさないように。

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